資産をふやすために、運用成績の良いファンドを見つけたいと思う方は多いでしょう。ファンドの運用成績を表す指標の1つに「トータルリターン」があります。トータルリターンが高いほど過去の運用成績が良いファンドといえますが、注意点もありますので確認しましょう。
「ファンドを買うなら、将来値上がりしそうなファンドを買いたい」、そう考える人は多いでしょう。ただ、日本国内で販売されているファンドの総数は6,082本(*1)。この中から将来良い運用成績をあげそうなものをどのように探せばよいのでしょうか? 将来の予測が苦手という方は、すでに良い運用成績を残しているファンドを探すという考え方もあります。ファンドは投資家から集めたお金を投資家に代わって運用する金融商品ですので、「過去の運用成績」で今までの実力を知ることができます。過去の運用成績が良いファンドは、これからも良い成績を出してくれるだろうという期待でファンドを探すという考え方です。
ファンドの過去の運用成績を見る指標の1つにトータルリターンというものがあります。これは一定期間のファンドの総合的な運用成績を表すものです。
(*1)一般社団法人投資信託協会の統計データ「投資信託の全体像(純資産総額・ファンド本数)」2019年7月末基準の契約型投信の数
トータルリターンとは、分配金や値上がり益、ファンドにかかった費用なども含めて、一定期間にどれだけ値上がり(もしくは値下がり)したかを示したものです。たとえば、2013年に100万円で買ったAファンドが、5年間で18万円ふえ、2018年には約118万円になっていたとします。5年間、年率約3.4%の複利でふえた計算です。トータルリターンは年率(複利)で表示するのが通例で、このAファンドの5年トータルリターンは年率約3.4%となります。当然この数字が大きいほうが、高いリターンを出した優秀なファンドということになります。
インターネットを使えばトータルリターンが高いファンドを比較的簡単に探せます。当行のホームページでもトータルリターンランキングを発表しているので参考にしてみてください。ただし、トータルリターンの数字が単に高ければ良いというものではなく、チェックする際の注意点があります。
1つ目の注意点は「期間」です。
トータルリターンは、1年、3年、5年などいくつかの期間で表示されています。1年の運用成績は良いけれど5年では悪かったり、その逆のものもあります。ではどの期間を見るのがよいのでしょうか? 実はどの期間がよいかについて正解はありません。ただ、一般的には短い期間の場合、相場などの一時的な要因に左右されやすくなるので、中長期の数字もあわせてチェックしましょう。当行のホームページでは、6ヵ月、1年、3年のトータルリターンを確認いただけます。
そしてもう1つの注意点は、「標準偏差」もあわせて見ることです。
標準偏差とは、ファンドの一定期間のリターンのばらつき、つまり価格変動の大きさの程度を数字で示しているものです。同じトータルリターンでもリスク(価格変動)が異なる場合もありますのでリスク(価格変動)を低く抑えたいという方は標準偏差もしっかりチェックしておきましょう。
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基準日:
(2024年1月4日現在)